某TV番組で某出演者がこんな発言。「豚汁作れる手間があるならもう1品作れるでしょうよ!」。またまた出ました例の問題。ポテトサラダから始まって冷凍餃子、そして豚汁にたどり着きました。
その番組の話題で「週2回、夕飯のおかずに豚汁だけの日があるのはアリかナシか?」という話になり、その出演者が、正確には「だめだよそんなの!餌じゃないんだからさ。豚汁作れる手間があるならもう1品作れるでしょうよ!」と発言したとかで、案の定ネットで大炎上。
これで視聴率あがれば万々歳というところだが、それにしても「餌じゃないんだからさ」とは、豚汁が可哀想。
結局いつもの問題で、豚汁ってそんなに簡単に作れるの? という話になってしまう。豚肉は適当な大きさに切り、油で炒めるか、もしくはそのまま、それは人それぞれ。問題はあとの野菜。大根や人参は皮を剥き、これも適度の大きさ切っておく。これだけでも豚汁として成立するから、それが問題なのかな。豚汁ってその他に何を入れてもいいんです。思いつくだけでも、ごぼう・里芋・こんにゃく・揚げ・れんこん・タケノコ・椎茸・長ネギ・焼き豆腐、ここまでいけば、ちょっとした鍋料理です。ごぼうはささがきにして酢水であく抜き。れんこんも皮を剥いて酢水であく抜き。こんにゃくも臭みをとるため、塩もみして一回茹でたりと結構面倒。里芋もぬめりをとるため、これも塩もみをして一回茹でる。下準備がかなり大変なんです。カレーを作るよりも余程大変。それなのに、カレーは一品料理として成立しているが、なぜか豚汁はそのような地位にない。「自衛隊カレー」は有名なのに「自衛隊豚汁」は聞いたことがない。豚汁って可哀想。

それでも豚汁が活躍するのは、被災地などの炊き出しではなかろうか。別に豚汁でなくても、大きな鍋でたっぷりの野菜、肉や魚を煮込んで味噌を加え、大きめの器で配給。体も温まるし栄養満点で、ホッとする気持ちになります。誰も「もう一品くれ」とは言わないでしょう。
それなのに家庭料理では、何かもの足りないイメージ。きっと豚汁=味噌汁という思い込みがそうさせるのだろう。ごはんと、味噌汁のお椀に入った豚汁だけでは確かに寂しい。それなら大きめの、例えばラーメンのような丼ぶりに豚汁を入れればいいのだが、ちょっと違和感ありかな。それに、ラーメンライスは立派にメニューとして親しまれているが、豚汁ライスでは物足りない。豚汁のほうが栄養があって健康にもいいのに。そして、ラーメンはそれだけで、今や不動の地位を得ているが、豚汁ときたら、どうしてこうなのか、豚汁、やっぱり可哀想。
新宿のゴールデン街に通称「深夜食堂」という、めしやがあり、そこのメニューは「豚汁定食」ただ一品。あとはお酒と、お客さんがリクエストしたら、できるものは作るというお店です。もちろんドラマや映画の話ですが、現実に営業しているお店のなかにも「豚汁定食」をメニューとしているお店は、たくさんあります。では、「豚汁定食」は豚汁とごはんだけなのか。いや漬け物もあるでしょうし、小鉢で、小さめの冷ややっことかマカロニサラダぐらいは付いてくるでしょう。見かけが寂しいとお客さんの目線も気になります、お金とってるんだから。
要するに家庭でも、手間のかからない一品を付けとけばいいんです。それこそスーパーで買ってきたポテトサラダとか、きんぴらごぼうとか、寅さんの大好きな「いもの煮っころがし」とか。ちょっと待ってください。きんぴらごぼうは、ごぼうと人参、それなら豚汁の中に入ってます。いもの煮っころがし? それも豚汁の中に里芋が入っています。ちなみに寅さんの大好きな「いもの煮っころがし」とは、じゃがいもではなく里芋のことです、ちょっとしたマメ知識。

こういうのはどうでしょう。大きな鍋に、豚肉と色々な具材で豚汁を作ります。そして食卓に出す時に、豚肉と大根と人参を味噌汁のお椀に分けて、味噌汁として出す。あとの具材は煮物として別のお皿に盛り付ける。こらならエキスのしみ込んだ味噌汁に、栄養たっぷりの煮物。文句ないでしょう、と言いたいところですが、何か違うな。たぶん違うんだろうな。それにしても、豚汁だけでここまで考えられるのだから、豚汁ってしあわせ。
豚汁に思いを巡らせているうちに、やっとわかりました。簡単なことです。要は、豚汁が好きか嫌いかです。いかに豚汁に愛着があるかです。豚汁に愛着があれば、一品だけでもかまわない。お酒のおつまみにもなるし、ひとつひとつの野菜に味わいを感じることができます。足りなければ、おかわりすればいいんです。
豚汁があればそれでいいという人は、きっと浮気なんかしないんだろうな。しみじみ、そう思う。でも、それは別のお話。
By 料理パパ3号
ブ ロ グ 一 覧

「昭和初期」弁当
昭和初期を再現した弁当を宮崎のスーパーが発売…担当者「あまり売れない予感しかありません」、という言葉をネットニュースで目にして、えっ宮崎? これはピンときました。以前に「逆切れ弁当」とかで話...

かぼちゃの天ぷらで転倒
「本日は雨のため床が滑りやすくなっております。足元には十分ご注意ください」。最近雨の日にスーパーへ行くと、このような場内放送を聞くことが多くなってきました。いや、以前から流れていたのかもしれ...

選手村の餃子
何年か前に友人と山奥のスナックへ行った時のお話。スナックと言っても、女性従業員がいなかったので、スナックと言えるのかどうなのか。ここらあたりはスナックの定義になるので、取り敢えず脇に置いてお...

闇落ちトマト
新潟でトマトを栽培する「曽我農園」の投稿がSNS上で話題になっているそうです。今まで「尻腐れトマト」と言われ、ほとんど廃棄されていたトマトが、「闇落ちとまと」と名前を変えただけで人気商品に早...

普通のラーメンどこ行った?
【孤独のグルメ】原作者久住さんのTwitterに「先日取材の途中、駅裏の中華料理屋で食べたラーメン。実に実に普通で、おいしかった。なんでこういうのが東京になくなったんだろう。店長さんは腕組み...

みそ汁で婚約解消?!
「顆粒だしの味噌汁をありがたがる男はATMとしては優秀」。これは何とも意味ありげなお言葉。某掲示板に書き込まれていました。
事の発端はある男女のお話。付き合い始めの男女が、緊急事...

白米大好き日本人
「白米好きの日本人」を襲ったヤバい病気の正体。大正期には1年で「約3万人」もの命が奪われた。東洋経済ONLINEに載せられたこの記事のタイトルを見て、ああ脚気(かっけ)のことだろうな、とすぐ...

シューマイの聖地
シューマイといえば、最も有名なのが崎陽軒のシュウマイ弁当。その創業者の方が栃木県鹿沼市の出身ということで、鹿沼市を「シューマイのまち」にしようという動きがあるらしい。駅前に「シューマイ像」ま...

立ち食いそば、ウマい
寒い日の朝、出勤途中の電車の中で、そういえば今朝は何も食べて来なかったなと気がつく。昨日はちょっと飲み過ぎて、朝食を食べる気分ではなく家を出たのだが、今ごろお腹が空いてきた。そうだ、電車を降...

ヒナタ、泣いてる!
これはとても悲しいお話。大阪の農業高校で、100日間世話をした雌牛が、出荷のトラックを待つ日に、両方の目頭から涙をこぼしていたらしい。その雌牛が「ヒナタ」という名前で、生徒たちからも可愛がら...

スパゲティ輸入量過去最多
スパゲティの全国の輸入量が今年(2020年)10月までに、およそ14万2000トンで、過去最多となったという話です。3年前の1年間の輸入量を4000トンほど上回ったということなのですが、〇〇...

ポンペイ最後の日
古代ローマの都市ポンペイは、西暦79年にベスビオス火山の噴火により、地中に埋もれたことで知られています。そして18世紀半ばから現在に至るまで発掘作業が進められ、この程、現代のファーストフード...

ベジタリアンをやめて分かった「4つの教訓」とは?
今回のタイトルはかなり長いのですが、本題に入る前に、気づいた大切なこと。それは「4つの教訓」という中に数字があることです。ただ単に「ベジタリアンをやめて分かった教訓とは?」だったら、フンフン...

捨てられる大根
寒い季節には、温かいおでんが好まれます。そのおでんの中でも、一番人気の具材は大根だそうです。その大根が今、危機に瀕しています。危機と言っても、生産量が低下したという話ではなく、全くの逆で、生...

黒い餃子
黒い餃子現る。今回もTRILLからの記事です。「ローソンに『黒いぎょうざ』が爆誕。めちゃくちゃクセになる一品でした!」というお話で、写真を見ると確かに真っ黒な餃子。そこで気になるのは、その黒...

寿司は手で食べる?
問題1:握りすしは手で食べる、それとも箸で食べる? 「TRILL」というサイトで、そのような問いかけが見られました。答えもちゃんと出ていて「手で持っても箸を使っても、どちらでもOK。ただし、...

今度はおでん
このタイプの炎上ネタは、もはや定期的に勃発するすることは必定。今度はナニ? と楽しみに待つようになってしまいました。そして、今度はおでん。テレビ番組で、あるコメンテーターが、「僕はおでんはチ...

ハマグリは何処へ
千葉県の九十九里浜で、四十数キロにわたって特産のハマグリが大量に打ち上げられている、というニュース。四十数キロといえばマラソンの距離で、これは大変な量のハマグリが打ち上げられ、行き場もなく砂...

私作るひと僕食べる人
「私作る人、僕食べる人」広告・CMの性別役割の押し付け、なぜ炎上40年も繰り返す? という記事がAERA.dotで紹介され、いよいよ炎上40年の理由解明かと思い、久しぶりにAERAを買って読...

豚の生涯
英国の世界遺産ストーンヘンジ。世界で最も有名な先史時代の遺跡の言われ、紀元前2500年から紀元前2000年の間に立てられたと考えられています。今から4500年も前のお話。その頃にブリテン島全...
















